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西山ゆう子先生よりお答えが届きました!
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    みなさん、お待たせいたしました!

    西山ゆう子先生より、みなさんの質問へのお答えをいただきました。

    とても丁寧に答えてくださっていますので、トークイベントに参加できなかったみなさまもぜひ、一緒に勉強してくださいね!

     

    【地域猫について】

    Q. 飼い猫メスとTNRメス猫の不妊手術は同じ方法ですか。放す猫に対して体に優しい手術はありますか?

     

    A. 手術は基本的に同じです。ただ、手術後にエリザベスカラーをすることがでませんし、患部を舐めるかもしれません。外での生活なので、患部が土や草と接触するかもしれません。数日、安静にすることもなく、翌日からジャンプしたり、走ったりするかもしれません。それらを考慮して、TNRのメス猫の不妊手術は、よりしっかりとした縫合糸を使い、皮膚の縫合をしっかりとするようにします。また、比較的長期作用のある抗生剤の注射投与をすることが多いです。

     

     

    Q. 地域猫のTNR時、痛み止め・抗生剤などした方がその子のためにはよいと思うのですが、どう思われますか?

     

    A. 痛み止めは、地域猫も、飼い猫と同様に、使用するべきだと思います。また、外で患部が土などと接触することを考慮して、より積極的に使用するべきだと思います。

     

     

    Q. TNMVTTRの最後のRが困難な場合はありませんか。定期的なワクチン実施を慣れていない子にも、その都度捕獲機などを使って行いますか。

     

    A. 外猫は、手術のために捕獲した時に、問題なければ、同時にワクチン接種を行いますが、その後、定期的に捕獲して、ワクチン接種をするのは、大変なのではと思います。捕獲機に入った猫を、ワクチン接種のためだけに、麻酔をかけるのはリスクも伴います。ある程度、世話人さんに慣れていて、ネットなどに入れて、病院まで連れてこられるのならば、麻酔をかけずにワクチン接種できます。

    捕獲した猫は、捕獲された場所に放します。その場所に放すことが、何等かの理由でできない場合は、地域住民の理解を得て、TNRという地域猫の本来の目的と、その活動を、地域住民に理解してもらうべきです。

     

     

    Q. アメリカの地域猫で病気ウイルスにかかった成猫はリリースしないことがありますか?リリースできない猫は誰がお世話しますか?

     

    A. 米国の場合、ウイルスキャリアを放すと、そこにウイルスが蔓延してしまうことを懸念することが多いです。陽性猫は安楽死する場合もあれば、陽性猫をフェンスで囲んだ、広い敷地内のみで飼育する場合もあります。あらかじめ地域猫をお世話する人たちで、方針を決めています。

     

     

    Q. 地域猫のアメリカと日本両国の実態について詳しく教えてください。(何歳以上の人間が何名以上。米国の地域猫は、そのかかわる人の中に必ず知識や技術がある専門家が必要など決まりはありますか)

     

    A. 特に大きな決まりはありません。専門家が必ず入っていることもありません。その地域により、かなり統一して、レベルの高い活動をしていることもあれば、手術後はあまりフォローしていないところもあります。日本同様、その地域によって、ある程度差があります。ただ、Alley Cat Allies のような、地域猫活動を具体的に指導、ノウハウを教えるような、専門家の集まった組織もあり、地域猫活動をする人たちが、学べる場所があります。

     

     

    Q. 猫の耳カットは痛そうに見えますが、カット後も痛くないのでしょうか?

     

    A. 多少は痛いと思います。麻酔から覚醒した後、耳をぴくぴくしたり、気にする猫がいます。なので、痛み止めを併用するべきです。しかし、だからといって、耳カットを辞めるべきとは思いません。再び捕獲機に入り、もう一度麻酔を打たれるほうが、よりストレスがあります。

     

     

    【不妊去勢手術について】

     

    Q. LAでは不妊去勢手術がとても安価と聞きましたが、日本はどうしてこんなに高いのでしょうか?どうしたら安くできるのでしょうか?

     

    A. ロサンゼルスでは、地方自治体が所有のクリニックで、安価に手術を行っている場合もあります。また、獣医師がボランテイア活動として、不妊去勢手術を行う場合もあります。日本でも、地域猫を中心に、ボランテイアの不妊去勢手術が始まっていると思います。

     

     

    Q. どうしても不妊去勢に同意されない方に、どのようなお話をすればわかってもらえますか?先生はどのようなお話をされていますか?

     

    A. 不妊去勢手術は、私の個人的な意見や見解だけではなく、全国的に、獣医専門家委員会や、地方自治体、動物福祉団体、および、ペットの予防医学の観点からも、勧められていること。なので奨励している。私たち獣医師は、不妊去勢手術さえしていたら、こんな目にあわなかったのに、という、悲しい症例をたくさん見てきているので、勧めています。

     

     

    Q. 大型犬も同じ月齢での不妊去勢手術がベストですか?

    A. 不妊去勢手術を施行する時期は、犬のサイズだけではなく、譲渡動物か、終生飼育している人に飼われているか、成長の度合い、ブリード、性格、飼育環境など、様々な要因を考慮して、総合的に判断します。

     

     

    Q. 犬の不妊手術は何歳まで可能ですか?3歳の子がいますが、これからやっても大丈夫でしょうか?

     

    A. 何歳という年齢ではなく、その犬の個体の健康状態、環境、他の要因によって決定します。主治医である獣医さんとよく相談してください。。

     

     

    Q. 行政に対して不妊手術の徹底(義務付け)の条例を作ってもらうための訴え方はありますか?

     

    A. アメリカは、殺処分を減らすための政策を考える上で、不妊去勢手術の義務化して、効果を発揮してきた。啓蒙活動だけで、ペットは減らないと多くの専門家が言っている。

     

     

    【動物病院について】

    Q. 獣医・動物病院を選ぶポイントを教えてください。

     

    A. 私が熱意を込めて書いた本、「いい獣医さんに出会いたい!」(ポット出版)の本をぜひ、読んでください!(笑)

     

     

    Q. 保護猫を譲り受けたときに、ワクチンをあまり勧められませんでしたが、(してほしくないような…)打った方がよいでしょうか?

     

    A. ワクチン接種は、その利点、欠点について、獣医さんとよく相談してください。基本、健康であるならば、接種をお勧めします。

     

     

    Q. 日米の獣医診療費の差を教えてください。

     

    A. 米国も日本と同様、自由診療ですので、病院や地域によって、差があります。ただ、基本は、予防や健康な動物へ行うサービス(ワクチン、不妊去勢手術、フィラリア予防)は、あまり高価にしない。病気になった時は、高価、というスタンスが米国にあります。

     

     

    Q. ペット保険について、どうお考えですか?

     

    A. 日本のほうが、ペット保険が普及しているように思います。保険は加入をお勧めします。

     

     

    【病気について】

    Q. 母猫から乳をもらっていないとそれが原因で病気になったりしますか?

     

    A. 母体からの移行抗体がないと、伝染病疾患にかかりやすくなります。

     

     

    Q. 動画で同じ部屋にたくさんの猫がいましたが、猫風邪を引いている子と同じ部屋で保護しても大丈夫ですか?

     

    A. 猫風邪は伝染病です。同居すれば、伝染してかかる可能性が高くなります。

     

     

    Q. 複数の猫を保護する時、エイズ白血病の検査をどのタイミングですべきですか?またどの程度、細かく隔離すべきですか?

     

    A. 猫白血病ウイルスと接触してから、検査で陽性と出るのに、1か月かかります。猫エイズウイルスの場合は、2か月かかります。よって、昨日保護した野良猫を、今日テストしても、陰性の場合は、その後陽性になる可能性があります。ただし、陽性の場合は、早く判明してよかったね、となります。保護猫が、外をさまよっていたのか、センターから来たのか、1匹だけで飼育されていて、遺棄されたのか、など、その猫の保護状況によって、決定するべきです。エイズ、白血病は、空気感染しませんが、直接接触することで感染します。感染経路、伝播方法は、判明していますので、隔離の仕方、方法、必要性など、獣医師と相談するべきです。

     

     

    【マイクロチップについて】

     

    Q. マイクロチップは安全なのは確実ですか?

     

    A. 10万匹に1匹くらいの確率で、装着患部が、腫瘤になるという報告があります。

     

     

    Q. 地域猫のマイクロチップの目的は何ですか?

     

    A. 個体識別です。自由に外で暮らしているので、他の地区に移動するかもしれません。その場合、マイクロチップが入っていれば、もとの世話人さんが判明し、その他の病歴も判明できます。

     

     

    Q. マイクロチップをもっと普及すべきだと思いますか?また付けることを愛護団体や獣医師がもっと勧めていくべきだと思いますか?

     

    A.安全で、比較的安価で、世界中のペットたちの多くが恩恵を受けています。ただ、チップ番号を登録しないと機能しません。そして、その登録が、獣医師会が管理していること、チップが入っていても、読み取り機を所有していないので、地方自治体で保護しても、機能しない、と懸念する人もいます。私は、個人的に、そのような問題がありながらも、チップの装着率が上がれば、やがて社会に受け入れられていくと思っています。

     

     

    【多頭飼育について】

     

    Q. 多頭飼育崩壊出身の動物は具体的にどのような状態ですか?

     

    A. その多頭飼育の現場により、差はあります。一般的に、低栄養、過密飼育による慢性のストレス、寄生虫の寄生、鼻風邪などの慢性の伝染病、慢性の下痢、汚い環境での飼育による皮膚病、そして、動物が人に慣れていない、など。

     

     

    Q. 心に傷を負った動物たちは、ある程度回復することはありますか?

     

    A. ありますよ!

     

     

    Q. アメリカには多頭飼育にならないためのシステムがあるとおっしゃっていたかと存じますが、そのシステムについて具体的な詳細を教えてください。

     

    A. 完璧なシステムはありません。法律によって、ある程度規制しています。一度、多頭飼育をした人は、動物虐待の罪に問われ、罰金や実刑だけではなく、カウンセリングといった心のケアもするように裁判所から命じられます。また、多くの場合、生涯を通して、2度とペットを飼ってはいけないなどの、制約がつきます。多くの自治体では、複数のペットを飼う時は、届け出が義務となっています。届け出た多頭飼育の飼い主は、アニマルポリスから、定期的な訪問チェックを受けて、悲惨な状況で飼育されていないか、絶えず監視されることになります。

     

     

    Q. 飼育崩壊の理由

     

    A. 様々です。多頭飼育している方が死亡したり、病気で入院したり、施設に入所したりがあります。また、近所や大家さんが発覚して、強制的に撤去されることに伴い、多くのペットが手放されることがあります。貧困になり、世話するお金がないケースもあります。

     

     

    【高齢者の飼育について】

     

    Q. 高齢者が入所する施設でもペットが飼えるように変えていくと高齢者も幸せになれますか?ペット化の施設を増やすために、何か良い案はありますか?

     

    A. ペットが好きな高齢者なら、ペットを飼育できる施設があれあ、よいですね。ただペットが嫌いな方もいれば、ペットを医学的な理由で飼うべきではない高齢者もいます(ぜんそく、アレルギー、免疫疾患など)。それゆえ、ペットを飼える施設と、飼えない施設の両方のニーズがあると思います。

     

     

    Q. 高齢で動物を飼育することについて、どのようにお考えですか?

     

    A. 賛成です。ただ、高齢者の方が、飼えなくなったり、死亡したりした時に、残されたペットのことを考えて、しっかりとした信託や、遺書、社会的なバックアップが必要だと思います。

     

     

    【法律について】

     

    Q. アメリカ国内における議員の中に、獣医師はどれぐらいいますか?構造的に則ち法律を変えていくことが、動物に対する問題解決・改善していくうえで不可欠だと考えます。アメリカの動物愛護に対する意識がとても高いのには、やはり関係がありますか?

     

    A. 詳しく調べた訳ではありませんが、獣医師の議員は、それほど多くないと思います。

     

     

    Q. 一般人が犬猫のためにより良い法律を作るためにできることはありますか?

     

    A. パブリックコメントは、市民の意見が反映できるすばらしい機会だと思います。

     

    Q. 日本の犬種ブームについて、どのようにお考えでしょうか。法の介入で制限できるのではないでしょうか?

     

    A. 例えば法律で、「大型犬を飼うな」などは、難しいですね。どんなサイズでも、どのブリードでも、しっかりと飼っている人がたくさんいます。法律で制限するのではなく、その人がしっかりと、一生責任を持って飼うことができるか、購入の時に啓蒙できればいいですね。また、法律ではなく、啓蒙活動で、流行にまどわされずに飼うモラルが普及できればと思います。


     

    【ペットショップについて】

     

    Q. アメリカのペットのイメージで「バースデーやクリスマスプレゼントに犬や猫」というのがあります。実際はいかがですか?

     

    A. はい、まだまだあります。よくない習慣ですね。ただ、啓蒙活動が進んでいて、減っていると思います。

     

     

    【保護・愛護活動について】

     

    Q. 保護活動にかかる負担分担のために、個人ができることは何ですか?

     

    A. 金銭で応援する(募金)。労力で応援する(ボランテイア)。そのほか、譲渡動物のインフォを拡散したり、などがあると思います。

     

     

    Q. 保護活動を続けていると入ってくる数に対して出ていく数が少ないので悩んでいます。どこまでやるべきでしょうか?

     

    A. 確かにそうですね。入ってくる数が減るように、元栓を閉める活動を、もっと広めるべきだと思います。具体的には、生産者の規制、不妊去勢手術。

     

     

    Q. 欧米などでは猫に対する対応がみな優しいような気がしますが、日本人は好き嫌い差が激しいように思います。猫を好きな人も嫌いな人も、猫を保護する気持ちを持ってもらうにはどうすればよいでしょうか?

     

    A. 猫嫌いな人に、猫を好きになってもらうのは、難しいと思います。米国にも、猫嫌いはたくさんいます。ただ、猫がその人に、迷惑をかけないような社会を作る必要があります。そういう意味で、地域猫政策は非常に慎重におこなわなくてはなりません。

     

     

    Q. 譲渡数を増やすためにはどのようにすればよいでしょうか?意識改革は必要ですか?

     

    A. 難しいですし、安易に進めるべきではないと思いますが、シニア世代への譲渡をもっと改善する必要があると思います。何歳以上はダメというシステムから、信託や、飼い主死亡後のペットの引き取りの制度など、体制を広げて、シニアの方にもっと、ペットのいる生活を満喫していただきたいです。

     

    Q. シャーシャー猫をならす方法があれば教えてください。

     

    A. 室内の安全ない場所を提供する(静かなケージ)。フード、水、きれいなトイレ。やさしく声かける。無理に引っ張り出さない。猫から近寄ってきたら、やさしく撫でる。おもちゃやトリートなども併用する。などなど。。

     

    Q. 飼育環境が整っていても、猫がなついていない場合もボーダーになりますか?

     

    A. ホーダーとは、自分の能力以上の数の多数のペットを飼育して、環境状態が悪く、動物の状態も悪いもの。それゆえ、ちゃんとした環境で飼われているシャーシャー猫は、ホーデイングではありません。

     

     

    Q. 動物たちのために、大学生でもできることを教えてください

     

    A. 時間の提供―ボランテイア

    お金の提供―少しの募金。

    情報の共有―譲渡動物の数を増やすために、情報拡散に努める。

    預かりボランテイアになるー期間限定で、保護動物を飼育する。

    大学を卒業して社会人になったら。。ペットショップではなく、センターや愛護団体から、1匹、正式に譲渡してもらい、飼い主になろう。殺処分される運命の1匹を、一生飼うことは、最高のボランテイア活動!

     

    posted by: npo-spica | - | 00:21 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
    はじめまして。
    浅田美代子さんのFBで拝見しました。
    とても 勉強になります。
    ブログの方に転載させていただいてもよろしいでしょうか・・・。
    よろしくお願いいたします
    | ヒロママ | 2017/03/25 4:11 PM |
    ヒロママさま
    コメントありがとうございます。
    お返事がおそくなって申し訳ありません。
    転載元(NPO法人SPICA)を記していただければ大丈夫です。よろしくお願いいたします。
    | SPICA | 2017/03/27 7:13 PM |









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