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西山ゆう子トークイベント 講演の内容をまとめました
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    みなさま、お待たせいたしました。

    2月12日(日)西山ゆう子先生による講演のまとめができました。

    約2時間、みっちりお話しいただいた内容を、ざっとまとめさせていただきます。

     

    「これからの動物愛護について〜高齢化社会、多頭飼育崩壊の時代に向けて〜」

     

    ≪言葉の定義〜同じ言葉で話そう!〜≫

    普段私たちが何気なく使っている言葉について、改めてまとめていただきました。中でも注意が必要と思った言葉をいくつか。

    • シェルター

      動物の数が少なくても、自宅でも、保護動物が住む場所をシェルターと呼ぶ。

    • トライアル

      この期間の動物の所有権は動物愛護団体にある。

    • 里親

      人間の里親と同じように使うべきではないという意見もあり、正式な書類などは「譲渡」という言葉に置き換えるようになってきた。

    • 安楽死・病死・老衰・自然死

      殺処分ゼロ時代に向かう中で、医療ネグレクトの問題が出てくるはず。その際、死因をはっきりさせることは大切。

     

     

    ≪多頭飼育崩壊≫

    日本では、高齢化が進む中、多頭飼育崩壊に対する制度を整えることが急務である。

     

    • 多頭飼育

      多数のペットを飼育すること

    • 過剰飼育

      能力を超えた頭数を飼育すること

    • 過剰多頭飼育

      能力を超えた多数のペットを飼育すること

    • ホーディング

      過剰多頭飼育で、動物の状態が悪く、改善する意図がない、できない

    • ホーダー

      ホーディングする人

    • 崩壊

      ホーディング状態の飼い主が、死亡などの理由で飼い主権を放棄する時

     

    ホーダーのタイプ

    • 認知症・高齢者型

      社会から孤立するようになり、若い時にできていたこと(動物の管理など)ができなくなる。ヘルプサインを出していることが多い。

    • コレクター型

      純血種や珍しい毛色の動物を集める。計画的に繁殖したり、社会的に自立した人も多い。

    • 強迫性障害型(Obsessive Compulsive Disorder)

      愛護活動家などの「自分が救わなくては!」という使命感がある人や、捨てられない、別れられない人などが多い。ネグレクト状態を認識・改善できず、動物の所有権を主張する。

     

    予防方法

    タイプ別に予防することが大切。

     

    認知症・高齢者型タイプには

    社会福祉士などと協力して、早期発見と予防を心掛ける。不妊去勢手術については、助成金制度よりも一歩進んで、高齢者が実施しやすい方法を考える必要がある。

     

    コレクタータイプには

    多頭飼育登録制度と現場チェックを徹底。違反者には罰金や飼い主権のはく奪という法律を整える必要がある。

     

    強迫性障害型(OCD)

    動物愛護団体の登録・許可制を徹底し、現場チェックを確実に行う。団体の大小にかかわらず、何匹保護し、その後どうなったかなどの年次報告を義務化する。

     

     

    ≪地域猫≫

    東京などではかなり浸透してきたが、地域によって取り組み方も異なる。

     

    猫の分類

    飼い猫、室内猫、外猫、迷い猫、地域猫、野良猫、野猫

    ただ歩いているだけでは、どの猫か分からない。

     

    もともと「動物愛護管理法」で飼い主のいる猫の飼養指導が始まったが、エサをやるだけの人が多く、法律でカバーできない部分がある。

    環境省から「地域猫ガイドライン」が出て、エサやりだけを禁止する流れになる。

     

    地域猫の世話人の役割

    エサやり、不妊去勢手術、環境衛生管理、地域の合意、ルール作り

     

    地域猫が抱える問題〜地域猫のクオリティを上げる必要がある〜

    ノミ、ダニ、寄生虫、鼻炎、結膜炎、歯肉炎、口内炎

    ケンカによる外傷、病気、猫エイズ、カリシウィルス

    栄養失調、毒物誤飲、イエローファット病 などがとても多い。

     

    アメリカの地域猫

    どうしても室内飼育できないほど野性的で人に慣れていない猫が原則。

    TNRからTNMVTTRへ

    TNRをしてきた結果、それだけでは十分に猫の健康的生活を保障できないことが分かった。

    今は、T:捕獲、N:不妊去勢手術、M:マイクロチップ、V:ワクチン、T:ウィルステスト、T:治療、R:返還という形に変わってきている。

    子猫はTNTA(T:捕獲、N:不妊去勢手術、Ta:慣らす)後、飼い猫として室内へ。

    生態系、野生動物などへの影響も考えて実施すべき。

     

    日本の地域猫の課題

    飼い猫の室内飼育の徹底と、地域猫の質の向上。

     

    「すべての猫は室内で飼育されるべきであり、地域猫はいつかいなくなってほしい」という西山先生の言葉がとても印象的でした。

     

    ≪ペットはどこからやってきて、どこに行くの?≫

     

    環境省のデータについて

    現在の統計は、殺処分と譲渡の2つに分けられているが、実際には、譲渡の中に、動物愛護団体やボランティアなどへの「移動」が含まれている。

    譲渡(終生の飼い主)、移動(団体やボランティアへ)、返還(迷子が家に戻る)をはっきり区別するべき。

    団体やボランティアの負担は限界を超えている。

     

    殺処分ゼロの時代に入り、「元栓を閉める」とよく言われるが、その対策は一つではなく、一度にすべての元栓を閉めることは不可能。

     

    元栓を閉める対策とは…

    /靴靴生み出される命

    生産者からの売れ残り:法律を強化する

    素人の自家繁殖:獣医師や関係者からの啓蒙

    「うまれちゃった」:不妊去勢手術 など

     

    ⊂渡されにくい動物

    行政として解決する方法を示すべき。

    攻撃性のある犬猫、人に慣れていないなど:トレーナーや獣医師が関わる

    白血病・エイズウィルスキャリアの猫など:預かりボランティアへ

    多頭飼育崩壊出身動物:ホーダー予防

    慢性病のある動物:シェルターメディシンの充実

     

    9睥霪以など、お金と労力のかかる動物

    愛護団体や行政のホスピス化も視野に入れ、看取りについて考えていく。

     

    び乳子猫

    ミルクボランティアの増加とレベルアップが必要。

     

    ゾ渡率を上げる

    欧米では、不妊去勢手術をしてから譲渡すると、譲渡率が上がると言われている。

    命の授業、次世代への教育をして、動物と暮らしやすい意識を育てる。

    高齢者が安心してペットと暮らせる譲渡サポート(ペット信託、遺言など)

     

     

    自治体として、「殺処分ゼロ」を実行するなら、子猫や老犬猫を管理するシステム(介護・医療、低コスト不妊手術など)を構築していくべき。団体やボランティアへ移動させるなら、譲渡数や活動内容、ネグレクトの監視などにも力をいれていく。

     

    私たちのゴール

    • 殺処分ゼロと同時に譲渡数を増やす。終生飼育する飼い主を見つける。
    • 愛護団体で滞る動物を減らす。
    • 譲渡できない動物の最期をサポートする。
    • 飼えなくなった市民をサポートする。
    • 多頭飼育崩壊の予防。

     

     

    ≪不妊去勢手術2017≫

    オス:去勢手術、 メス:不妊手術 という言葉を使う。

    避妊は「一時的に妊娠を避けるもの」という意味なので、適していない。

     

    不妊去勢手術が奨励される理由

    1. 病気の予防(子宮蓄膿症、生殖器腫瘍など)

    2. 問題行動の予防、緩和(マーキングや攻撃性、排尿障害などが減る)

    3. 殺処分を減らすため

    4. 遺伝病の蔓延を予防

      米国では、遺伝病の知識を持った一部の専門家以外は、繁殖に手を出すべきではないとされている。

    5. 手術では使用できない薬物が多い

      インシュリン、抗がん剤、ステロイドなど

    6. アメリカの多くの都市で、不妊去勢手術が義務化されているから

     

    では1匹残らずすべての犬猫に不妊去勢手術をすべきか→NO

    手術すべきかしないべきか、いつすべきかなどは、個別に獣医師と相談し、判断すべき。

    1. 麻酔のリスク

      どんなに健康でも、3000匹〜5000匹に1匹の割合で、麻酔の事故は起きる。

      ただし、事前の血液や心電図検査、麻酔の選択に注意することでリスクを下げることもできる。

    2. 外科手術のリスク

      出欠、感染症、疼痛、縫合糸によるアレルギー反応など

    3. 不妊去勢手術をしないというリスク

      (例)メス犬の乳腺腫瘍の場合、不妊手術のタイミングによる発症は以下のとおり。

    発情前の手術            0.5%

    1回発情のあと           8%

    2回発情のあと           26%

    2回以上、2.5歳以上  40%

    (例)未手術のメス犬、子宮蓄膿症の発生率が25%

    4. 合併症(肥満、尿失禁など)の懸念や報告もある
     

    副作用などについてはインターネットで誰でも調べられる時代になったものの、情報のレベルは、個人の経験レベルから、専門家の検証・認証レベルまでさまざま。

     

    アメリカでの不妊去勢手術について

    Fix by Five(生後5か月までに不妊去勢手術を!)

    Five Saves Lives.(5か月までに手術することで、命を守る)というスローガンが一般的に知られている。

     

    ガイドラインでは、メス犬は生後16週齢〜5か月齢まで。オス犬・猫は生後8週齢〜5か月齢までと定められている。

     

    不妊手術の時期に対する考え方

    早期                     8〜16週齢           (現在)

    クラシック           4〜6か月齢         (10年前くらい)

    レトロ                  7か月以降           (30年前くらい)

     

    早期不妊手術は、麻酔からの覚醒も早く、傷口も小さいため、動物への負担も少ない。

    副作用の報告もあるが、どれもさらなる検証が必要なものが多いため、それらをもって「手術しない」と考えるべきではない。

    リスクもあるが、ペット過剰問題、多頭飼育崩壊、譲渡率向上の見地から、不妊去勢手術を進めていくべきである。

     

    NBA(Neuter before Adoption)譲渡前不妊去勢手術

    米国ではスタンダードなポリシーであり、譲渡前に手術されていると、殺処分が減ることが実証済みである。ほぼすべての行政、民間動物愛護団体は、このNBAが必須である。

     

    NBAの利点

    手術されている動物のほうが譲渡されやすい。

    絶対に繁殖しない。

    シェルター内の管理に影響(保護動物の発情によるストレスの軽減など)

     

    **********************************************

     

    20年以上にわたって、不妊去勢手術の大切さを訴えてこられた西山先生が最後に示されたスライドには、昭和49年の殺処分数130万頭の文字がありました。

    その間、1頭でも不幸な動物が減るように、祈りながら手術を続けてこられたという西山先生が、いま改めて「不妊去勢手術の重要さ」を説かれたことには、20年前とはまた違った意味も込められていると思います。

     

    会場の皆様からは、たくさんの質問もいただきました。

    西山先生には、今お返事をお願いしているところですので、今しばらくおまちください。

     

     

    posted by: npo-spica | イベント情報 | 19:04 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
    西山先生の講演の内容を詳しくまとめてくださり、わかりやすく、拝見しました。ありがとうございました。感謝いたします。
    | 新長明美 | 2017/02/22 8:29 PM |
    講演に申し込んでいましたが、都合で参加できませんでした。
    内容を報せて下さってありがとうございます。
    | トーティー | 2017/02/23 8:30 AM |









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